【韓国・博物館探訪その①】仁川にある「水道局山タルトンネ博物館」にいってみた

【韓国・博物館探訪その①】仁川にある「水道局山タルトンネ博物館」にいってみた

日本と同様、韓国にも様々な博物館があります。 韓国の伝統や歴史をまとめて知ることができることから、博物館見学を観光のコースに取り入れる人もたくさんいらっしゃると思います。 国立中央博物館や国立民俗博物館など、有名な博物館は展示も多くアクセスも良いので、観光客のほとんどはこのように大きな博物館を訪れるのではないでしょうか? でもよ~く探してみると、韓国には面白い博物館がたくさんあるんです! そこでここでは、小さくても見ごたえがあり、ちょっぴりマニアックな韓国の面白い博物館をシリーズ型式でご紹介して行きたいと思います。 第1弾は1960~70年代の韓国の様子を知ることができる「水道局山タルトンネ博物館」です!

この記事の目次 ・水道局山とタルトンネ ・ドラマ「トッケビ」にも登場! ・1階・タルトンネの住宅を再現した第1展示室 ・2階・1960~70年代の商店を再現した第2展示室 ・「水道局山タルトンネ博物館」へのアクセス ・まとめ

水道局山とタルトンネ

1960年代、経済開発の過程で都市部に人口が急増、それにより生まれたのが住宅不足の問題でした。平地に家を建てることのできなかった貧しい低所得者たちは、次々と丘の尾根や斜面などの高台に集まって暮らすようになりました。これがタルトンネの始まりです。 タルトンネとは「月の町」という意味で、このような高い場所にある、ちゃんとした屋根もない家で横になっていると「月と星が良く見える」ということから名付けられました。 生活するにはとても不便な、傾斜がきつい高台にひしめき合うように建てられた粗末な家。そんな場所をスラム街とは呼ばず、敢えて「月の町」と抒情的に呼んだのです。 仁川の東海岸、松林が広がる水道局山の傾斜地にタルトンネが形成されたのも1960年代からでした。 もともと貧しい人たちが暮らしていた地域ではありましたが、そこに朝鮮戦争で故郷を失った人たちが多く流れ着き、さらには産業化によって職を失った農村の人たちも移り住んで来たのです。 こうして水道局山は巨大なタルトンネと化し、丘の頂上にまで小さなバラックで埋まるようになりました。 その広さは181,500㎡(東京ドーム3個分以上)、最盛期にはそこに3,000世帯がひしめき合って暮らしていたといいます。 「水道局山」というユニークな名前の由来についてですが、以前は松の木が多かったことから「松林山」と呼ばれていました。 もともと井戸が少なく、水質も良くなかった仁川。開港や人口増加に伴い、水の確保が大きな問題となって行きました。 そこで1909年に行われたのが、仁川とソウルの鷺梁津(ノリャンジン)の間の上下水道工事です。この時、松林山の丘の上に水道水を蓄えておく配水池を作ったことから、それ以降「水道局山」と呼ばれるようになったのです。

ドラマ「トッケビ」にも登場!

「水道局山タルトンネ博物館」は、松現(ソンヒョン)近隣公園の一角にあるのですが、公園とその周辺では、韓国の人気ドラマでコン・ユ主演の「トッケビ」の撮影が行われました。 時代が変わったとはいえ、実はまだこの近辺には“リアルタルトンネ”の風景も見ることができるので、度々ドラマにも登場しているようです。 夜になると綺麗な夜景が広がるため、「トッケビ」でも夜のシーンが撮影されています。 この壁の前でコン・ユがぁ~~!

1階・タルトンネの住宅を再現した第1展示室

では、さっそく博物館の中に入ってみましょう! 韓国の博物館はとても入場料が安く、中には無料という太っ腹な所もたくさんあります。 こちら「水道局山タルトンネ博物館」も入場料はたったの1,000ウォン! あまりの安さに間違って10,000ウォン札を出してしまいました(笑)。 入口からもう雰囲気満点ですね!バラックの建物がずっと向こうまでびっしり見えます。 まずは階段を下りて、1階の展示室から見て行きましょう。 ここでは1971年10月、夕方6時頃の水道局山タルトンネを再現しています。 あまりに精巧に作られたジオラマに、一瞬でその時代にタイムスリップしてしまったかのような錯覚に陥ってしまいました。耳をすませば周りから人々の話し声が聞こえそうなくらいです。 入ってすぐの一角は、布団の綿打ち屋さんや理髪店などがあるタルトンネの「商店街」になっています。 ここに再現されてるお店、実はこの水道局山のタルトンネに実際に存在したお店なんです! 実際の写真と比べてみると、いかにリアルに再現されているかわかります。 ちなみにここにある人形たちですが、これも実際にこのお店にいた人物をモデルに作られています。とは言っても、グレー一色なのでよくわかりませんが・・・(笑) 「ウニュル綿打ち店」 おおっ!これはポン菓子を作っているんですね! このタルトンネにはポン菓子を作る名物おじさんがいたそうです。 「デジ理髪店」。この時代のヘアカタログがナイスです!! 「松現商会」では青果、駄菓子、調味料など様々な商品が売られていました。 現代でいうスーパーマーケットですね! さあ、ここからは住宅が密集する路地に入っていきます。 夕方6時とあって、晩ごはんを調理するお母さんの姿も見えます。 こちらでは一家総出で内職の箱作り!昔はこうだったんですよ~~。 ホント、細部まで精巧に作られていて見ごたえがあります! 空いている土地に無計画で次から次へと家が建てられていったタルトンネでは、個々の家にトイレは無く、このような集合トイレでした。 赤い電球が目印で、朝には行列が出来ていたそうですよ。 映画やお知らせのポスターもリアル。 よく見ると、当時の選挙のポスターや「スパイを見つけたら通報しろ」「皆でネズミをつかまえよう!」など、時代を反映している興味深いポスターも! 家の中を見ると、当時の生活ぶりをうかがい知ることができます。 屋根の上に洗濯物!ワザが細かいっ! こちらはタルトンネの中でも、少し裕福な(?)お宅です。 立派な家具もあり、茶の間では家族がプロレス中継を見ていました。 うわ!電話機もありますね! こちらは塾のようですが・・・中には先生が1人ぼっちでちょっとかわいそう(笑)。 タルトンネのジオラマから出ると、休憩室と売店があります。 売店では懐かしのおもちゃや駄菓子が売っているのですが、なぜかここが大人気! よく見ると子供ではなく、若いカップルや大人たちがこぞって駄菓子セット(3,000ウォン)を購入、その場でもぐもぐ食べているではないですか! みなさんタルトンネの町を散策して、少しの間、童心に戻ってしまったんでしょうか?(笑)

2階・1960~70年代の商店を再現した第2展示室

では、次は2階の展示室に行ってみましょう。 先ほど降りてきた階段を今度は上って行きます。 ここはタルトンネではなく、仁川の町にあった当時流行のお店を再現しています。 先ほどのタルトンネに比べるとやはり“ナウい”感じですね! 入口付近にある「ウリ写真館」では、昔の制服を着て記念写真を撮ることができます。 「ミダム喫茶」は当時最先端のカフェで、なんと店の中にはDJスペースも!! なのにメニューが「高麗人参茶」「生姜茶」というのが笑えます(笑) パッピンスが200ウォンの時代があったんですね~。 街角でお母さんたちがキムチを付けている様子。 どんな材料を使っているかわかって面白い! ビニール傘って、ホントにビニールだったんだ!知らなかった~! ちなみに今年40歳になる知り合い(韓国の人)は、小さい頃これを使った記憶があるそうです。 アイスを保存する入れ物。眉毛がスゴイ・・・。 今の韓国では「チルソンサイダー」だけど、昔は「チルソンコーラ」もあったんですね! 韓国で最も有名な消化ドリンク「活命水(ファルミョンス)」のうちわを発見! これはプレミア付きそう~! あれ?どれもどっかで見たことあるようなキャラクターだけど・・・。 博物館の外は「松現近隣公園」になっていて、そこにも昔の遊びを紹介した人形があります。

・「水道局山タルトンネ博物館」へのアクセス

「水道局山タルトンネ博物館」の最寄り駅は、地下鉄1号線「東仁川」駅になります。 ガイドブックやHPには4番出口から徒歩10分となっていますが、博物館があるのは元タルトンネがあった小高い丘の上。かなりの急勾配を上って行かなくてはなりません。 体力に自信が無い方は、東仁川駅の4番出口からタクシーに乗るのが無難です。 しかし坂が急なところは正味5分も無いので、大丈夫そうな人は、昔タルトンネにいた人たちがどんな過酷な場所に住んでいたか、実際に上ってみて体験することも貴重な経験になると思います。

【水道局山タルトンネ博物館/수도국산 달동네박물관】

住所 仁川広域市 東区 松現洞 163
電話番号 032-770-6130
営業時間 09:00~18:00(毎週月曜/1月1日/秋夕・旧正月の当日は休館)

まとめ

1960~70年代にここで人々がどんな暮らしをしていたのか、とても良くわかる博物館でした。 景色がいい高台は、日本ではお金持ちが住むというイメージがありますが、韓国では逆なんだということにも驚かされました。 それにしても、細部まで見事に再現しているジオラマは本当に圧巻でしたね! 文化を学びたい人だけではなく、ジオラマ好きの人にも超オススメの場所です。 マニアックだけど深いところまで知ることができる韓国の異色博物館探訪、いかがだったでしょうか?これでアナタも立派な韓国ツウになれるかも?!
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